廃墟の楽しみ
廃墟が好きだ。
国内を旅行する際は、ほとんど廃墟と滝ばかり行っている。
廃墟に魅力を感じるのは、まず純粋な見た目だ。
人工物が自然に侵食され自然に還っていく様は非常に美しい。
これがわからないという人は、これはもう感性の問題だからどうしようもない。
(ただしそれすらも様々な経験によって変化するが)
そしてもう一つが、背景を想像することによる“萌え”だ。
例えば、工場跡に踏み入った時、景色を眺めて思うのは、
「かつてはここでたくさんの人々が働いていたのか。しかしもう今は人々に忘れ去られ、ひっそりと自然に還ってゆく」
そうやって、かつてそこで営まれていた生活や労働に思いを馳せる。
さらには、廃墟の歴史(かつて栄えていた頃の様子や、廃墟となった経緯)を知ることによって、廃墟への“萌え”はさらに加速する。
廃墟に興味がなかった人も、この萌えポイントをおさえてもう一度廃墟の風景を眺めてほしい。
どうだろう?
さっきはガラクタに思えたその風景も、少しは魅力的に見えてこないかな?
どう?
きた?
この「背景を想像する萌え」は廃墟だけではなく、あらゆる楽しみに存在する。
もう一歩踏み込んだ世界の楽しみ方ってやつだ。
さて、かつての石切場跡や鉱山跡、廃道になると、さらなる楽しみが加わる。
それは「発見すること」だ。
古い地図や文献、地形図の等高線などを見て、石切場跡や廃坑、廃道の眠っている場所を推理する。(この推理する楽しみ方はまだ僕はやったことがない)
そして予測通りの場所に遺構を発見した時の喜びは計り知れない。(繰り返すが僕はこれはまだ体験したことない)
ちょっとした考古学者気分だ。
廃道の場合は比較的新しいトンネルや橋がフラグだ。
その新しいトンネルや橋ができたことによって廃道となった道が近くに眠っている可能性が高い。
石切場跡は、不自然な平地や、古い石垣などが目印だ。
さぁ、探検に行こう。