科学隊

ささやかな科学と哲学のバトンを渡すための情報交換の場所です。

【転記】歴史学における数の意味・出し方

以下、mixiの猫王さんの日記より転記。

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歴史認識論争は、素人ばっかでイヤになっちゃう』

これからいう事は、ときに歴史学者にも当てはまる

彼らは一応プロだから

詭弁、ミスリードだと分かって、わざとやっているのかも知れないが

歴史学のイロハが分かってないと

そのイロハには、歴史学のエンジン部分である社会科学の基礎が分かってないと

(本物の歴史学者は、社会科学がエンジン部分だとハッキリと言ってた)

これから話すことも、説明するの大変なんだが

いつものように、そういう肝心なことだけど難しいことを

平易に説明することに挑んでみようじゃにゃいか!

歴史学における数の意味・出し方

戦争そのものや、個別の事件

東京大空襲南京事件なんかでもそうだけど、犠牲者数がどうのと話になるけど

そのときの数の意味や出し方ね

これって、推計だからね

太平洋戦争全体の犠牲者数なんて、正確にカウントするのは無理なのは

誰にでも分かるでしょ?

東京大空襲とか、南京事件も同じ

この推計ってのは

例えば交通事故死みたいに、正確にカウントしていけるものとは異なる

(交通事故も本当に正確なのか、微妙だけど一応そうだという建前で)

だって、戦争の犠牲者数なんて

正確にカウントするなんて不可能じゃん

これをまとめると

・戦争犠牲者は推計

・交通事故は実測

◆推計の仕方

例えば、日本軍側の公文書で、南京事件の虐殺した証拠史料で

最大の犠牲者数を数えているもので

第9師団の「南京攻略戦闘詳報」というものがあるんだが

細かいことをココでは説明しないが

不法殺害(いわるゆ南京での虐殺事件ね)は

七千人を推計している

日本軍の戦闘に直接あたった部隊のカウントだが

これだって、死体一つひとつをカウントしたわけでなく推計だし

まあだいだい七千人を、ヒャッハーしちゃったって話であって

七千の全てが、不法殺害だったかは正確には分からない

この戦闘詳報に関連する史料などで

大方が不法殺害であろうだろうということは分かってんだけどね

このような感じで

ところどころ、だいたいこれくらい不法殺害されたんじゃないの?

っていう推計を積み上げていって

いか現在分かっている推計の合算が分かる

南京事件否定派の詐術

歴史学者で、南京事件を否定しているものは一人もいない

否定派といわれている学者でも

実は、事件そのもの、虐殺などは肯定している

そこで彼らは、誰を、何を擁護したいのかよく分からないが

出来うる限り、事件を矮小化しようとして詐術を用いる

そのやり方が、実測だ

小よしのりなんかが、ゴー宣でやってるのはこの手法

先の第9師団の「南京攻略戦闘詳報」の七千の虐殺数は

だいたいが不法殺害だと、関連史料からも分かっているのに

実測でないことをいいことに、これを無視する

本当の実測なんてないけど

細かい数字まで、実測のようにカウントした数字だけを扱って

これが真実の事件の犠牲者数だとやる

否定派と呼ばれる、事件は肯定しているけど

犠牲者数を低く見積もる学者なんかも

これに似たようなやり方をしている

戦闘詳報なんかでおおまかに推計できる数字だって

確かな根拠もなく、信用できないからと

必要以上に根拠なく何割引するのが妥当だろうとかやってる

本物の否定派は、推計しかできないものに

実測を持ち込むという方法論的過ち、意図的な詐術でもって

アホなネトウヨちゃんは、その区別すらついてないけど

事件を矮小化するわけだ

南京事件の犠牲者数の推計

で!

推計でしか数字は出せないことが分かったところで

南京事件は、どのくらいの数が犠牲になったのか?

ハッキリいうが、分からない

犠牲者数を断言するやつは、ハッキリいうが歴史学の分かってないド素人

この数を出すのに、基本となるものが

民間人への殺害と、捕虜の不法殺害

民間人への不法殺害について推計できる史料は

スマイス調査というものがあって

これが三万前後と推計される

この調査もしょせんは推計しかない

数字を裏付ける史料がない以上

この数字の解釈の、どの部分(多い所か低い所かを)を

正しいと断言することは誰にでもできない

次に捕虜の不法殺害だが

これも戦闘詳報などを推計していくと

おおよそで三万くらい

戦闘詳報というのは、こんだけヒャッハーしたぜ

と、手柄自慢するものだから、大目に報告される傾向がある

これは、肯定派の中でも十数万という最大の犠牲者数を掲げる

笠原十九司でも言ってることだ

だから、割り引いて考える必要がある

ということで、現時点で分かってる犠牲者数の推計は

最大で六万くらい

で!

歴史学者がどういっているかというと

詐術派は、意図的か素でバカなのか置いといて

方法論上でのミスをしていて

極端に小さく見積もっているので、犠牲者総数という点では、無視していい

肯定派で大きな数字を出しているのは、だいたい十数万だが

これも、事件全体で最終的には犠牲者数はこれくらいなんじゃないの?

という、ただの「推理」であって、推計じゃないし

歴史学的論証といえないので

これを、現時点での歴史学が明らかにした「推計」として扱うわけにはいかない

中間が、中公新書南京事件』の著者であり

歴史学者でいま防衛大学で学長かなんかやってる秦郁彦

彼が四万前後といってる

コイツのカウントの仕方は、確かに問題もあるし

私も犠牲者数論争で、大きな数字を挙げたがる人に

それを指摘されたこともあるが

推計というのは、戦闘詳報などの性格もあって

そこから差し引くほうが確実であるから

六万より小さな数字を挙げていれば

嘘は含まれなくなるので、ちょうどいいんじゃね?

ってことろに落ち着く

で!

歴史認識問題で、ネトウヨちゃんの拠り所でもある秦ちんが

四万前後といってるので

じゃあネトウヨも文句がいいようがないだろうということで

私は、四万前後と言っている

四万前後から六万以下といっとけば

大きな誤謬はないだろう

揚げ足を取られるようなミスもない数字だ

※私は、あったか無かったか

いつものように、そういう大きな枠、本筋のところにしか着目していないので

私の見落としている史料があるかも知れないので

それによって増える可能性があることは言っとく

◆犠牲者数をめぐる、リベラル派の迷走

断言して良い事と、憶測がごっちゃになってる

南京事件の犠牲者数だって

かたくなに十数万人説を唱える人がいるが

十万単位での犠牲者数を、証明することは不可能

その決定的なことを伝えると

南京の総人口は・・・

なんていうが

それは、南京にたくさんの人がいたので

可能性として、十万単位で殺せるという話にすぎない

可能性は可能性であって、たとえ推計であっても

証明、論証できなければ

十万単位を掲げることは出来ない

もちろん、いま分かっていること、発見されている史料から

四万前後とか六万とかいう数字が出てきているのであって

これから新しい発見があれば、数字は上積みされていくし

神様にしか分からない、事件の全体像が明らかになれば

十万単位で犠牲者があったかも知れない

だーけーど!

それが証明できないんだから

それを口にしてはいけない

笠原十九司だって、彼の主張をよく見てみると

十数万人の犠牲者数が分かったといってない

事件全体で、最終的にはそれくらいになるんじゃないのと

「推理」を語っているだけだ

もし推理じゃなくて、、推論だというのなら

コイツは頭がおかしい

そんなこと言ってないけどね

◆余談

歴史認識問題を扱うリベラル派は素人ばかり

もうすぐ死ぬからハッキリ言っとくけどよ

歴史問題で、いろいろとホームページあるわな

どれみても、いつも不満が残る

俺がそれぞれの歴史問題で

専門サイトを作ったら、もっと良いものを確実に作ってる

俺は、口でいつも大言壮語を吐くが

必ず、それだけのことをやって見せて自分を証明する

mixiなら日記で書いてみせて

文句があるならどうぞってやる

大学教員や司法試験を目指しているような人たちがみている場で

法曹や法学者にまともな論理力なんてないとこき下ろしたので

口だけでは、ただの逆立ちカバになるので

それを証明するために

死刑論を書いた

死刑論は最初、各論を個別に書いていたものの寄せ集めで

分かりづらかったので、いつかもっと分かりやすくまとめようと思っていて

これを機会にと、あらたに書き直したのが

いま、よく日記で掲載しているやつ

日弁連でもアムネスティでも法学者でも

文句があるなからかかってきなさい ココココ(王騎)

今回は、やらんから文句は甘んじて受けれる

ご存知の通り、もう命が残り少ないので

それに取り組んでる時間がない

それに歴史認識問題で肝心要なのは

あったか無かったかなので

そこは、いつもやってるようにミニマムで論証しているし

それをやれば十分で、細かいところは

それ専門にやってる人に任せればいいし

歴史学徒にも優秀な人はどんどん出てきてるみたいだし

今あるものも、不満があるとはいえ

出来はかなりよくて

俺が書いても、そこまで大差ないので

わざわざ、残り少ない時間を、国会図書館などに篭もってすごす意義がないからやらん

ただ、大言壮語を吐いたくせにやらんのかという嘲笑は、甘んじて受ける

だけど、歴史だけでなく経済でも政治でも法律でも社会問題でも

俺の書いたものを読めば、アホでなければハッタリじゃないと分かるだろ?w

いつも言ってるように

社会を良くするためのたたかいの主戦場はネットだ

そのネットで活躍するリベラル派が、あんまりにもお粗末すぎて

熱が出そうだ

なんで、こういう日記を書いたの

なんかもっと言いたいことがあった気がするけど

疲れたから、この辺でやめ

思い出したら、加筆するかも知れない

あ、一個おもいだした

みんな議論下手

jaなんとかさんって、お亡くなりになった人だけが上手かった

ああ、俺と似たようなこと書いてる人で

経済系の記事は、どれもウンコ

細かく問題を限定していて、数字など情報系を中心に限定している記事には

良いものはあるけど

んなもん、資料みればいいだけのものでしかなく

語られる理論は、どれもお粗末

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議論が下手っていうのは

歴史学者ですら、ミスリードディベートのテクニック、罠に簡単に引っ掛かってるから

ネットでたたかってるリベラル派が下手でも責められんけどね

でも、それを自覚してうまくなるよう学ばなアカンのに

ネトウヨちゃんと論争して、明白に負けてるのに

自分の勝ちをかたくなに宣言して

相手をアホだ、バカだといってるお粗末なやつが目立ちすぎる

あっちこっちで歴史論争やっているのを見ていて

よく思うことなんだけど

いま何処にポイントを置いて、論争するのか

それすら分かってない感がある

今は史料を出すんじゃなくて

先に示した史料を元に論じるべきところを

ネトウヨちゃんと、ただ史料の出し合いの応酬をして

傍観している人にとっては

何が何やらって場合が多々ある

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【転記】+今時、南京事件がなかったなどと中二でも言わない+