科学隊

ささやかな科学と哲学のバトンを渡すための情報交換の場所です。

【転記】+超経済学入門 ~景気回復策を中心に~+

以下、mixiの猫王さんの日記より転記。

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『超経済学入門 ~景気回復策を中心に~』

Neko-King presents!

この日記は、経済学の超難しいところを

世界でもっとも簡単といって良いほどやさしく

だが、理論レベルの高さ、確かさ

平易化によって生じる誤謬の少なさでもって

猫王が自信を持ってお勧めいたします

◆はじめに

選挙間近になって、景気回復が重大な争点となっているが

政治家、経済学者、アナリスト、様々な者が

こうすれば景気回復するといっている

(TPPとか米国との二国間協定とかもそうだよね)

そういうものは、一切デタラメだ

99%がインチキだと断言する!

ハッキリいうが、景気なんて回復しようがないからだ

◆景気が良くなる(上向く)とは、どういうことか?

新たな市場を獲得するということ

要は、商品を買ってくれる人をみつけるということです

これを国家単位で考えよう

日本が全部で100万台台自動車を作って売っているとする

これを倍に増やして、200万台作って売る

倍売れた分、儲かったよね

これが、「景気が良くなる」ってこと

これは言い換えると

「二倍の市場を獲得した」ということ

これ重要だから、覚えといてね

当たり前のことをいってるが

この肝心な、そして完全無欠の理論を無視した

景気回復策ばかりが、世に蔓延しているのだ

◆人類は、戦争によって市場を獲得していたのだ

大航海時代以降、武力でもって

植民地を獲得し、商品を生産するための原料を安く獲得(収奪、搾取)し

これまた、武力で獲得した市場に売り込む

日本が西洋列強に開国を迫られたのも

基本的な理由はそこだ

事実、開国以降は日本の金や銀は、大量に西洋に移転した

第一次世界大戦も、第二次世界大戦

市場を獲得するための戦争だった

ちなみに、これは資本主義経済が発達してからの話だが

根本的に同じことは、それ以前の社会でも同様のことが行われてきた

奴隷の労働が、その時代の富の主たる要因であるとき

古代のローマは、奴隷獲得戦争に明け暮れる

それが、大ローマ帝国の征服戦争だ

農奴(農民)の労働が(農民というより第一次産業)の労働が

その時代の主要な富の生産の源であった時代は

農民を抱える隣の封建領主を倒して、自分の土地(農地)を増やす

これが封建時代の、天下統一戦争だ

◆今現在の市場の獲得方法

第二次世界大戦の、本当の意味での世界規模での市場獲得戦争により

これまで、ブロック経済の言葉に象徴されるように

独立したいくつかの経済圏が、統合されてしまう

これを分かりやすくいうと

独立して互いに干渉しない大きな市場が、世界にいくつかあった

それが一つにまとまったということ

正確にいうと、その傾向が加速度的に強まったということ

こうなってくると、戦争によって獲得する市場が存在しなくなった

経済が、軍事力を必要しなくなったということ

じゃ~なぜ今も軍事力を必要とするのかという理由も

述べる必要があるので、これは話が脇にそれすぎるので

※1 で説明しようねっと!

話を戻して

経済圏がひとつも急速にまとまりつつある

その過程で、まだまだ市場が取りこぼしている牧歌的な

市場があるだけだ

ここで、市場統一のための経済戦争(資本同士の競争)がはじまるわけだ

ゆるゆるだけど、世界の市場は一つの大きな塊となってしまったので

武力でもって、自分達とは異なる外の市場を獲得できない

身内なんだけど、一つの経済系統が世界市場を覆いつくすまで

まだまだ取りこぼされている牧歌的な小さな市場がある

それを獲得するのには、今度は武力じゃなくて

資本力」の大きさで、市場を獲得していけばいいわけだ

これを分かりやすくいうと

駅前に商店街があって、その地域の経済活動が成り立っていたところへ

巨大スーパーやショッピングモールがやってきた

個人商店の集まりである地元商店街では

資本力が違うので、太刀打ちできない

結果、商店街はシャッター通りとなり

巨大流通産業が一人勝ち、市場を統一していく

こうやって、第二次世界大戦以降

いくつか並存していた市場がゆるやかに統一され

それが、より強固に一つの塊としてきちきちに統一されてきた

それが現代までの過程

しかし、こうやって市場が世界の隅々まで統一されていくと

もう売る先がなくなるわけだ

(最初の説明を思い出してね)

そうなると、あらたに多くの商品を売って

景気を良くすることが出来なくなる

◆だけどまだ外には市場があった!

社会主義を僭称する、旧東欧の全体主義国家だよ

ここが民主化革命によって、市場が開かれた

これで西側の資本主義国家は、経済成長を続けることが出来た

やがてここも市場が食い尽くされる

世界経済、大ピンチ!

このとき、中国が資本主義経済に三角する

中国市場が世界経済の危機を救ったわけだ

ところが今現在、中国も経済成長を遂げ

今度は売る側になってきた

中国の急激な経済成長が危惧されるのは

こういう理由が一つの大きなもの

◆次にどこに市場がある?

もう無い訳だよ

最初の説明を思い出して欲しいが

車を今まで以上に売りたくても、勝ってくれる市場が無い訳だ

買ってくれる人がいなければ

景気が回復しない

買ってくれる人がいなければ、経済(活動)の規模は維持できない

維持できなければ、経済(活動)は崩壊する

今の経済活動が、常に右肩上がりで成長しないといけない理由は

雑にいうとこういう理由からだ

(※本当の主たる理由は別にあります。詳しくは※2で!)

じゃ~どうするか?

◆富の移転がはじまる(社会的富の再分配の方法が変わる)

売れないんだったら、売るために商品の価格を安くしたり

商品をつくるための費用を、安く抑えればいい

どうするか?

富(商品)を作る人たちへの、富の分配を少なくすればいい

一言でいうと、「人件費抑制」というやつだ

国家政策として、正規雇用を減らし非正規雇用に切り替える

給料も下げる

今の時代、牛丼やすいよね

味は残飯みたいに不味いけどねw

材料費を抑えるため、品質を悪くして

社員を減らしバイトばかりで経営して、人件費を抑える

居酒屋グループ、特にワタミなども分かりやすいよね

ブラック企業の象徴じゃんw

これをまとめると、同じ経済活動体の内部で

富の移転を行うこと(社員→経営者)

これによって、見せ掛けの経済成長を遂げているとうこと

例えばトヨタは2002年以降

全体の売り上げ

2002年度の16兆円→2007年度26.3兆円

内部留保

8.5兆円→13.9兆円

この利益の裏には正社員→派遣への切り替え

非正規労働者(グループ全体)

2002年3万人→2007年8万8千人

トヨタは5年間で内部留保を5.4兆円増加

非正規1万人増やすごとに1兆円の内部留保増加

結果、社会はどうなったかというと

働く者の三人に一人が非正規雇用

働く者の四人に一人が、年収150万円未満

働く者の半数が、年収300万円未満

ここら辺おの実情の、もっと詳しいう解説は私の過去日記

【転記】格差や貧困は、政財界による意図的な人災

◆超重要! ~社会の富は定量だ~

むしろ、ここからが本番

今の景気回復策って、TPPでも二国間協定にしろ

外国に売って儲けるって話じゃん

だけど世界経済は、一つの経済圏に統一され

もうきつきつに市場は世界を覆い尽くしている訳だ

どっかの国がよ、貿易で儲けるということはだ

例えば、日本がアメリカに車を今以上にたくさん売って儲けるということは

アメリカの富が、日本に移転するいうこと

アメリカが富を失うということ

そうすると、アメリカが貧しくなる

一つの世界市場が世界を覆いつくしているわけだから

もう他に市場がないので

アメリカが自動車以外のほかの産業で

日本へ移転されて失ったと富を他の国から得ても

その先は貧しくなる

玉突きと一緒だ

結果、どこかが競争に負けて貧しくなる

これまでの説明を思い出して欲しいが

どこかの国の内需

要はどこかの国が買ってくれるから

世界経済は成り立っていたわけだ

最近では、アメリカと中国の内需

世界経済を支えていた訳だ

これらの国が貧しくなったり、売る側に転じれば

もう誰も買ってくれない

市場の玉突き現象が置き

最終的に、富が流出するばかりで

世界の購買役が潰れてしまう

結果、メガ恐慌だ

おとぎ話じゃないんだから

世界の富の量は定まっている(定量

無限に勝ってくれる、打出の小槌のような買い手は

この世には存在しない

そんなものは

景気回復を高らかに叫ぶ政治家、経済学者の「脳内」にしかない

◆じゃ~どうしようもないのか?

メガ恐慌は避けられないのか?

かなり厳しいと言わざるを得ないが

応急処置的な処方箋がある

労働者の年収と大企業の内部留保

$煩い書きなぐり

(mixiのぴよちゃんさんの画像を転載)

これに併せて、上の私の説明や、上で紹介した私の過去日記も参照して下さい

要はね、富を移転した訳だよ

社員から、経営者や株主に!

お給料を据え置きにしたり、正規雇用を非正規に切り替えたり

下請けをいじめたりしてね

その富をさ、正当な分配方法に戻していけばいいわけだ

面倒くさいから引っ張ってこないけど

OECDの統計資料なんか見ると

社会的富の再分配率なんかも

日本は偏っているわけだ

まあ、先進国はどこも偏っているんだけど

日本は悪いほうな訳!

これの実証的な説明はコチラ(私の過去日記)

【転記】消費税は上げる必要はない

◆さいごに

世界の富の量は一定だ

ゆえに、TPPなど貿易政策、輸出拡大政策では

景気は回復しない

一瞬だけ神風が吹いて、短期的に景気がよくなることが

万が一あったとしてもだ

長い目でみれば、世界で買う側の役割の国の富が移転しつくして

貧しくなって崩壊しちゃう

結果、世界はメガ恐慌

市場をみつける事が出来ないから

社会的富の分配でもって、見せ掛けの経済成長をしているのが現在

だけど、そうやって見せ掛けの成長をしている内需向け産業も

買うのは、働く一般の人だからね!

そこが、正規雇用だったのに職を失い非正規雇用なったりと

貧しくなっていけば、最終的には買えなくなる

商品を安くするために人件費を減らしたりして

商品をいくら安くしても

買う側が不安定な経済状況が長く続くあまり、買えなくなる

結果、経済崩壊だ!

唯一の、しかし応急処置的な処方箋は

偏った富の分配を、元に戻すこと

例えば、トヨタは非正規1万人増やすごとに1兆円の内部留保増加した

五年間で、正規雇用を五万人、非正規に切り替えた

この間、 役員報酬と株主配当だけは景気良く増加の一途だ

株主配当

2003年・1株45円→2007年1株140円

配当総額

1512億円→4432億円

役員報酬

2003年7000万円(一人)→2007年1億2200万円(1人)

この偏った富の分配を、元に戻すことで

取敢えずの処方箋とすることが出来る

例えば年収400万と仮定し、1万人の雇用確保には

400億円

株主配当や役員報酬を少し減らせばすぐできます

ま!

これも応急処置的な処方箋であって

今の経済のシステムを根本的に変えない限り

人類未曾有の、世界メガ恐慌は避けられないけどねー

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◆重要な捕捉◆

説明の便宜上、景気回復について

国単位で説明したが、実はそれは巨大な間違い

本当は今の経済活動は、国境を超えて跨って活動しているので

国家単位で景気がどうのと考えるのは、過ちだが

理論の説明の分かりやすさを優先して、国家単位で説明する

※日本の主力産業、主力商品の一つは自動車だよね

主要三社が、海外でどれだけ作っているかというと

トヨタ59%、ホンダ75%、日産84%

海外生産が進む自動車業界・・・

この事実を提示するだけ、上でいった事が分かるよね?

その辺りの詳しい解説は、以下も参照して頂きたい

むしろ、それを読まないと分かり辛いかも?

【転記】TPPに賛成している人は算数できないの?

【転記】国益なんて幻想にすぎない

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※1

今の世界は、世界市場は

アメリカを頂点とする経済圏に、包括されているわけだ

だけど、異なる経済の仕組みや

その国独自の宗教観や考え方によって

経済危機を乗り切ろうとする国がある

そうなると、アメリカ経済圏に敵対する経済圏が育つ可能性がある

アメリカを中心とした経済政策に逆らってもらっちゃ~

アメリカ方の世界経済秩序が乱れる

既得権者の儲けが減る

だーかーら!

軍隊でもって、力でもって

そういう国を滅ぼす訳だよ

イラク戦争なんかがそうだし

アメリカ政府がCIAを通じて

アメリカの政策に反する国家の反政府ゲリラを支援したりする

これは私がよく書いてる

経済相互依存関係にある国同士は戦争できないと解説しているが

それに矛盾しない

現に、世界経済の包括が進むと

アメリカ経済圏の外にある北朝鮮ですら

戦争で滅ぼせなくなる

【転記】北朝鮮は脅威でもなんでもない

まあ、厳密にいえばだ

アメリカを頂点とするというのは

国単位で経済活動をみているということにあるわけで

上で説明したように、過ちではあるが

今の経済を規定する、支配する、発達した金融経済

それにいちばん影響を与えるのがアメリカの政策や

アメリカを中心とした世界の諸機関であるので

便宜的に、「アメリカを中心とした」と表現しております

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※2

本文で説明したのは、右肩上がりでなければいけない理由の一つだけど

ちょっとぼやかした言い方なんだよね

ちょっと万人の理解を無視していうと

市場と生産の無政府性ゆえに

常に資本(企業と捉えていい)は競争を強いられるので

右肩上がりで資本は成長しないと

いつ潰れちゃうか分からない

だから、競争に勝つために右肩上がりを強要されちゃう

これが資本主義社会の元では

常に右肩上がりでないといけない理由の基本

そこへ、金融経済が発達して

資本主義が金融経済の時代に突入(発展)する

こうなると、金融資本の本性によって

右肩上がりが強要されるわけだ

金融資本というのは、経営でいえば株式会社だよね

株主から、常に株価の上昇を要求されるわけだ

株価が下がるようなら、他の上がりそうなところへ

投資はながれていく

儲からない株を売って、儲かる株を買うようになる

そうなると、資本(企業)は事業を継続する資本(金)を失い

縮小、倒産をせざるを得なくなる

だーかーら!

資本主義経済は常に右肩上がりで成長しないといけない

だけど、本文で説明したように

富は定量で、無限にあるわけじゃないから

貿易による利益は、単なる富の移転にすぎず

競争に負けて買うばかりになった国の富はいずれ枯渇して

買えなくなる

そうすると、競争に勝った側も商品が売れなくなって

やっぱり経済破綻する

右肩上がりが永遠に続くことは不可能なのに

それをすることでしか、今の経済システムは継続できない

だからメガ恐慌は必然的にやってくるんだな

経済の仕組みを根本的に変えない限り!

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◆捕捉◆

大航海時代は、まだ資本主義の時代じゃないからね

商業資本が発達した時代ではあるけど

その時代の経済区分を規定するのは

主たる生産関係

要はその時代が、どうやって手段でもって

社会の主要な富を作っているかによって、規定されるからね

だから大航海時代は、資本主義じゃない

あと、「社会的富は定量」というのも

ちょっと雑じゃないかと

私と同じ道にいる先生たちに突っ込まれるかも知れない

資本主義の富の総量は、市場の規模に規定されるから

そう言ってもいいよね

もちろんそれは、この時代の主たる社会的富の生産という話ね

もちろん、そこから外れる自給自足とかもあるけどさ

それは主たる要因じゃないよね

奴隷性時代は、奴隷の数(奴隷の労働)の総和によって

社会の富の量は規定されるし

封建時代は、農地の大きさ(生産性)、農奴の数(農奴の総労働力)

によって

社会の富の総和は規定されよね

「景気政策」という観点からみるとき

市場の大きさは、政策によって規定されないから

生産力の発展という、長期的な、いわば「経済の自然現象、歴史的現象」は、問題の性質上除外できるよね

だから、富の量は定量だと言い切っていい

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経済学では

「富はどうして生まれるのか?」

この問いに答えられないものは

経済学の、理論の全ての根拠を理解できない

これをもうちょっと説明しようじゃないか!

売る行為は、買う行為によって

商品の富を実現する

でも、これって等価交換だよね

だとすれば、富は増えないじゃん!

でも、現実社会では、企業は売れば売るほど儲かって

会社がでかくなっていくよね

等価交換のはずなのに、にゃんで?

そういうことです

この謎が解けなければ

経済学は成立できないのです

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参照

【転記】これからの世界経済の歩む道