科学隊

ささやかな科学と哲学のバトンを渡すための情報交換の場所です。

【転記】国際法の社会科学的解説

以下、mixiの猫王さんの日記より転記。

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国際法の社会科学的解説』

◇まずは抽象的な、いちばん奥の理論的な部分を述べるよ

法とは何かといえば、社会秩序の維持のために設けられた

社会のルールだよね

国際法は、それがある範囲の社会の枠(例えば国家)を越えて

他の社会との関係について定めたものだ

これも大きな意味で、ひとつの社会の秩序維持のためといえる

んで!

社会(国家)とか何かというと

それは経済関係のことだよね

詳しくは【転記】社会科学の学び方(社会とは何か)

ある時代の法は、その時代の経済関係の秩序維持のためにあるということ

社会の発展の必然として

そのときの経済関係からの必然として

資源や労働力、市場を求めて

ある社会は、外に広がっていく

他の社会への侵略だよね

植民地獲得競争が起きる

これらは、社会発展の必然だからといって

決して、擁護されるものじゃないけどね

「何も悪くないんだ」と言っちゃうと、おかしくなるけど

本題はないのでそれはここまでにして

で!

その時代の法とは

そういう経済関係(他の社会を侵略して、経済発展を遂げる)を

秩序立て、維持するためのものになる

国際法は強者の論理※1

◇次に、具体的な話の、国際法の話について述べるよ

国際法とは、強国が

植民地など、他の社会から

土地や何がしかを奪うことを、秩序立て、擁護するものだ

強国の間で話あって、取り決めをつくり

それを「法」と呼んで

合法だ、だから悪くないよといって

列強以外の国にも、それを押し付けて

国際法を口実に、他の社会の土地や財産を奪っていく

これが国際法の本質だよ!

だから、その土地に原住民が住んでいても

それが列強の定める国家の体裁をなしていなければ

無地主とみなすとか

訳のわからないことを、言うんだよね

そうやって、力でその土地を原住民から奪っても

これは合法です

国際法では、無地主と看做します

んなことを言うわけだよ

国際法なんて、関係のなかった土地にでもね

まあ、最初のほうでも言ったけど

そのときの経済関係に法は規定されるから

国際法も、人権を必要とする経済関係の発達にともない

より人権的な方へシフトしていくから

昔のように、原住民から力で奪ったことに対して

なんらかの補償をするようになってはきているけどね

だけど肝心なのは

国際法(に限らず法)は

その時々の社会によって、経済関係によって

規定されるということであって

道理とは関係ないということだ

ここでいう、(社会の)道理とは

その土地に住むものには、生まれながらの主権があって

それが守られなければいけないということ

その土地にある社会の統治は

主権者であるその土地に住む者によって直接行われるか

それが、規模の問題などで不可能な場合は

民主的な手続きを経て選ばれた者が

委任されて統治を行うということ

国際法とは、これを踏みにじってきたわけだよ

繰り返すけど、そもそもが

国際法は、客観的、合理的な、道理に沿うものじゃないということ

だからこそ、領土問題なんかは

本当に、真に道理に即した方法、論理(※2)でないと

本当の解決は出来ないということだよ

これは、社会科学のもっとも基礎の原理的な部分の一端を

なるべく平易に解説したものだけど

こういうものは、今の時代は学ばないから

世間一般は、分からないのは仕方ないけどね

共産党までが

国際法をもってきて

尖閣諸島の問題を

「領土編入は合法だ、日本の領土で間違いない」

なんて言うのは、首を傾げざるをえないね

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以下補足。

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※1 国際法は強者の論理

国際法についての批判

国際法学者の、国内の第一人者であった太寿堂鼎(タイジュドウカナエ、故人)によれば

先占

>主として、近世初頭における地理上の大発見以来、

>ヨーロッパの列強による植民地獲得競争の法的基準として作用した。

>植民地分割の完了とともに歴史的役割を終えたといえるが、

>それだけに、第三世界の諸国のなかにはこの規則に対する批判がある。

要は、侵略国家が

合法的な土地の取得を装っていたというわけだ

そのための手段として、国際法が利用されたということ

この辺りの見解は

どの国際法学者も変わらないところだと思うYO!

しかし、上の引用に続く文章は

>しかし今日でも帰属未定地の取得や、

>領土紛争の対象地域に対する過去の先占の効力判定に、適

>用される余地がある。

こうある

この人は、先にもいったけど

国際法の領土問題に関しては第一人者で

この人の著作は、それを学ぶ者にとっては必読となっている

この先生が、国際法は強国の方便であることは見抜きつつ

日本の領土問題になると

積極的に、国際法を用いて

日本優位を語る

オカシイネ!

◇先占という概念のおかしさ

国際法のいう無地主とは

人が住んでいても、そう言われることがある

西洋式の、国家の形式を整えていなければ

そこに代々暮らす先住民がいようとも

それは、「無地主」なのだ

そこに軍隊を送り込んで

住民を暴力で従えて

そこを、自国に編入しても

誰のものでもない無地主に、他国との係争もなく

平和的に、先占したことになる

お笑い草だよ

こんなものを、

アジア的な、牧歌的な領有感覚しかないところに

都合よく持ち出して

国際法に適っているんです」

「日本の領土で間違いないのです」

お笑い草だよw

今では、その土地で行われている労働を根拠に

原住民の権利も、扱われるようになった

でも、だからといって土地を返すわけでなく

お金や、居住区なんかを定めて

実際は後から来た大国が事実上の支配をしているよね

■さいごに

日本の「先占」は、屁理屈だYO!

そもそも係争地だという認識があったんだから

先占の要件を満たしていないYO!

民間、似非右翼ならいざしらず

国際法学者(一部)も、マスゴミもいろんな政党も

ちょっとオツムが弱いですね

誰かが言ってることを、鵜呑みしているだけで

自分でお調べにならないんですね

それじゃ~ネトウヨさんと

なんら変りないですYO!

日本は歴史問題になると

毎度のごとく

史料の都合の良い部分だけを切り取って

さも、「史料でもこうなってます」なんて

インチキをかますわけだ

今回でいえば、国際法の解釈もそう

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※3 社会のルールの根本、道理

合理的でないのは、強者だけの論理だから

この地球上には列強に軍事的に負ける国もあるから

そうやって、支配するということは

他人に依存しているということで

依存の関係は、される側はいつかはそれを覆す可能性があるということ

現に、そうやって覆すことで

人類の歴史、社会は発展してきた

◆これの補足として

他者に依存する関係が、合理的でないことの

理論的に共通した部分を含むものなので以下も参照してください

参照

【転記】なぜ犯罪者の人権を守らないといけないのか?

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>真に道理に即した方法、論理でみた場合の結論はどうなるのでしょうか?

決定的な領有に関する根拠が、どちらの国にもなくて

「分からない」というしかありません

結局は、前にもどこかに書きましたけど

社会の形態が今より発展して

共同体構想か、それに近しいカタチに向かって進むでしょう

ましてや、ご覧になっていただいていると思いますが

【転記】国益なんて幻想にすぎないですから

国境という概念の持つ意味が

どんどん弱まる中で

どちらの領土かという問題も

意味を持たなくなり

自然消滅のようになってしまうのではないかと

予測しております

尖閣諸島はなぜ揉めるかというと

地下資源があるからですが

50年も前ならいざしらず

今は、グローバル経済の時代ですから

技術開発も含めた、そこから得られる利益は

出資資本に応じて分配されますので

どこかの領土になったからとって

その国が、丸儲けするわけじゃないです

むしろ、こういう市場の原理に基づいて

経済列強は、世界中の国々の市場開放を求め

他国の利益を、自分のものにしてきたのです

それは、尖閣諸島も同じで

どの国の領土になろうが

力の強いものが、その利益を得るのです

そこでの利益が原因でもめているわけですが

国益という幻想を語るのは問題外なので

両国の、右翼的な、民族主義的な精神が

譲りたくないという

泥試合をしているんじゃないですかね

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