科学隊

ささやかな科学と哲学のバトンを渡すための情報交換の場所です。

藤吉教授

藤吉教授の講義を聞いた。

この人は「見て、考えて、行動する能力の分子レベルでの理解(できれば個性をも)」というテーマで生物物理学を研究している人だ。

この研究内容は、なぜ人間は高度な思考をできるのか?という疑問をもつ僕がめちゃめちゃ興味をもつ研究内容であることは言うまでもない。

しかも、この人は生徒の反応を見ながらわかりやすく生徒に伝えようとしてくれるので、聞けば聞くほどワカル!最高だ。

今回の講義ではまず、脳の働きを知るにはまず「観察」できなければならない、ということで(「低温科学」のテーマに沿って)「脳研究を行うための極低温顕微鏡開発」というテーマで話してくれた。

今回の話題は極低温顕微鏡のしくみやその開発の経緯やなどだったのでそこまで興味を引かれことはなかったが、気になった事を書きなぐる。

来週はいよいよ、脳研究の現状と展望について語ってもらえるらしいので、よく耳かきをして講義に臨みたいと思う。

えーっとまずこの人は最初素粒子物理学をやりたくて理学部に入ったのだが、2回生の時、入りたかった研究室の教授がお亡くなりになったため、やる気を無くした。

それでもともと「人間」に興味があったので先のテーマの研究をするようになった。

それでここらへん記憶が曖昧だけど、X線結晶学ってのを最初やった。(どんな「学」なのかは全く分かりません)

しかし藤吉教授の師匠がインスリンの構造をX線結晶学で解明しようと、奥さんと7年間、1日3時間しか寝ずに研究し続けたのだが、オックスフォードのすごい人(♀)に先を越され、負けた。

オックスフォードの人はなんと20年もこの研究をしていたらしい。

僕はこの話を聞いて、「やっぱ一流の人はすごいな~」と感心するのと同時に将来が不安になった。「僕はこんなに頑張れるのか?研究だけで何十年も頑張れるのか?」と。

こんなことを不安になる時点で向いていないのかもしれない。

さて、これを受けて、藤吉教授はもちろん不安になったりなんかしないでこう考えた。

「オックスフォードのすごい人でも20年かかるってことは、別の方法で挑んだ方がいいのではないか?」

それでその頃ちょうど論文が出ていた、電子顕微鏡を使う電子線結晶学に注目した。

ちなみに現在では電子線結晶学のんが盛んらしい。

ここから藤吉教授は電子顕微鏡の分解能を上げるために頑張ったらしいけど、内容は難しくてわからなかった。

適当に言うと、電子線の威力が強すぎ(原爆の爆心地並)て損傷が激しくて試料が壊れて見れないので、それを電子線の量を減らしまくって、当時は無理と言われていた原子の像を直接撮影できることを証明して、

さらに試料を極低温にすることで試料の損傷を抑えて、タンパク質を見まくり分析しまくりで業績を上げた。

みたいな。

X線結晶学じゃあなんでダメなの?と思って軽く調べたら、「X線結晶学はタンパク質の結晶化が必要で膜タンパク質については解析困難」とか書いてあったけど意味不明。(じゃあ書くなよ僕、みたいな)

電子線結晶学は「極低温顕微鏡を用いると三次元結晶を用いないでタンパク質の構造決定が可能」とか書いていてあるけど同じく意味不明。(だから書くなよ、みたいな)

夏休みに調べる予定。

あと最後の雑談で面白かったのが、

人間は8歳か9歳か忘れてたけどそれまでに言語中枢的なものが出来上がるんだけど、それで日本語で育った人は「日本語の思考回路」になるらしい。

もっといえば脳を見れば(分析すれば)「あっこいつ日本人だ。」ってわかる。

日本語の思考回路用に神経が繋がるのだ!

第二外国語を話す時は母国語を話す時と違う脳の場所が働いている。

ちなみに音楽家も脳を見ればすぐわかるらしいよ。

これは非常に面白かったのと同時に、僕はすでに「日本語の脳」になっちまったわけです。

これはよかったのだろうか、悪かったのだろうか。

僕は少なくとも、お笑いという文化を楽しむ上では良かったと思っている。

「ゼロ」という概念は位取り記数法があったからこそ生まれた。

「お笑い」には日本語が最も適しているのではないか。

という仮説を立てとります。