科学隊

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トレーニング知識まとめ⑧

ワークアウト前・中・後の炭水化物摂取/xfit

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筋肉の成長とトレーニング後の栄養摂取/OneH

より転記。

筋肉内では、タンパク質に関して常に2つの正反対のプロセスが発生しています。それは、タンパク質合成とタンパク質分解です。タンパク質合成はアミノ酸が結合して筋タンパク質が合成され筋肉が作られるプロセスです。一方、タンパク質分解は既にある筋タンパク質がアミノ酸に分解され筋肉が失われるプロセスです。筋肉量がどうなるかは、この2つのプロセスのバランスによって決まります。

1) タンパク質合成 > タンパク質分解 = 筋肉量の増加

2) タンパク質合成 = タンパク質分解 = 筋肉量は変化なし

3) タンパク質合成 < タンパク質分解 = 筋肉量の減少

筋肉を成長させるなら言うまでもなくゴールは(1)です。そして、(1)の状態にするためのパラメータは2つあることに気付きます。

A) タンパク質合成を促進する

B) タンパク質分解を抑制する

ウエイトトレーニングを行った後の筋肉は、タンパク質合成もタンパク質分解も増進した状態になります。どちらか一方ではなく、合成も分解も両方が増進します。

そして、栄養が供給されない場合、筋肉は、全体としては分解が合成を上回ったネットカタボリックな状態になります。トレーニング前に長時間食事を取らず、トレーニング後も栄養補給をしないままでいるとトレーニング後の筋肉はネットカタボリックな状態です。これは筋肉の成長に良くありません。

一方、適切な栄養摂取を行えば、筋肉は、合成が分解を上回ったネットアナボリックな状態にすることが出来ます。研究者の間では、トレーニング後における栄養摂取のタンパク質合成と分解への影響について、以下のようなコンセンサスがあります。

1. アミノ酸 (タンパク質) はタンパク質合成を刺激するが、タンパク質分解を抑制する働きはない

2. インスリン (炭水化物) はタンパク質分解を抑制するが、タンパク質合成を刺激する働きはない

はい。これが方針のベースになるアイデアです。実際はアミノ酸インスリンの働きはもっと複雑なものかもしれませんが、少なくともトレーニング後の栄養摂取に関して言えば上記は正しく当てはまります。

また、栄養摂取で炭水化物とタンパク質とどちらかを取るなら、明らかにタンパク質の方が重要度が高いです。炭水化物単独ではタンパク質分解の抑制効果があるのみで、合成は促進されないからです。炭水化物はそれ単独では100g摂取したって筋肉はネットカタボリックな状態のままです。

タンパク質分解の抑制効果を最大化させるインスリンレベルはそれ程高いものではありません。炭水化物数十グラム程度でOKなレベルです。

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インスリンとアナボリズムに関する誤解/OneH

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